【株価 個別銘柄】インバウンド銘柄に冷や水、処理水放出に中国反発-旅行など影響懸念
28日の東京株式市場でインバウンド(訪日外国人)関連株に売りが広がっている。東京電力福島第1原子力発電所からの処理水の海洋放出を巡り、中国からの旅行需要や日本製品の売り上げに影響が広がりかねないとの警戒が出ている。
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中国からのインバウンド期待が高まったばかりだった
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
この日はディスカウントストアなどを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスが一時6.3%安と昨年5月以来の大幅な下げとなった。高島屋やマツキヨココカラ&カンパニーがそれぞれ5%超下落するなど小売関連株が軒並み下げたほか、資生堂などの化粧品や、良品計画、FOOD&LIFE COMPANIESといった専門店や外食にも売りが広がった。
東京電力ホールディングスが処理水放出を始めた24日以降、中国からの反発が強まっている。中国政府が日本の水産物の輸入を全面的に停止したのに加え、一部報道によると中国国民の間で日本製品の不買運動が発生。現地の日本人学校に石が投げ込まれる事件が発生したとも伝わった。中国が10日に日本行き団体旅行を解禁したことでインバウンド関連株には需要拡大への期待が高まったばかりだったが、株高の流れは早くも水を差された形だ。
パンパシIの推移 | 売り圧力強まる
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Source:Bloomberg
水戸証券投資顧問部の酒井一チーフファンドマネジャーは、「処理水に対する中国政府の反応が意外なほど厳しい」と指摘する。現地メディアで日本ツアーのキャンセルの動きや不買活動に関する報道が出ているとし、「中国で旅行需要シーズンを控える中でインバウンド関連にも意外に影響が広がりそうとの懸念が出ている」と言う。
酒井氏は「ようやくインバウンド需要が回復してきた矢先の出来事」だとし、「しばらくは現地の旅行会社の日本向け旅行の予約状況などを注視する必要がある」とみていた。
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2023年8月28日 11:59 JST
Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-08-28/S02TI4T0G1KW01
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