女性が「80代寝たきりの金持ち男性」と結婚した理由wwwww
胃瘻を確認しながら妻を探すと、隣の部屋から現れた。
妻は片言の日本語を話す中国人妻だった。
黒色のTシャツには<正直者は馬鹿をみる。>と日本語で書かれている。
意味を理解して着ているのかが気になる。年齢は自称42歳。良吉さんの40歳も年下だ。彼女はうんざりした顔で私たちをみてきた。まるで他人事のようだった。私は嫌な予感がした。
というのも、妻が介護放棄し、我々のような外部からのサービスや診察を一切拒み、最終的にはドアも開けて貰えないようになり、診察不能になるケースが、この地域では年齢差のある夫婦、特に国際結婚でよく見かけるからだ。
特に初診時に患者と妻の関係性がどこか空々しくみえてしまい「本当に夫婦なのか?」と感じた時には、要注意なのである。介護放棄と虐待を繰り返し、行政や医療機関を家に通さず、うやむやのまま患者は亡くなり、これまでの診療費やデイサービス、薬代などの全てを踏み倒していなくなる事もある。大半は口座からの引き落としにしているため被害は回避できるが、契約時に通帳が無いとか、印鑑を紛失したと言い出したら、要注意である。そして妻が口を開いた。
「チョット通帳ワカラナイ。印鑑ドコアルカ知ラナイ」
「ソレは私ノ仕事デハナイ」
案の定、要注意案件である。とはいえ新婚カップルの場合、配偶者の通帳や印鑑の場所を知らない事はままある。ひとまず話を進めていこうと考え、
「奥さん、胃瘻の使い方は覚えましたか?」
と聞いてみた。
妻は首を左右に振った。
通常、胃瘻を設置した場合、介護者は、病院に呼ばれて病棟の看護師から講習を受けるものだが、何かの理由でそれがされていないようだ。
「では、一緒にやりましょうか」
と準備をすると、妻は面倒臭そうな顔をして首を左右に振り、こう言い放った。
「ソレ私ノ仕事デハナイ」
傍にいたケアマネが「ちょっといいですか…」と言って、私に説明してくれた。
「病院は、胃瘻の使用に関して説明をしたいと連絡をしたけれど、ずっと電話がつながらなかったらしいです。何度もトライして奥さんに繋げ、日取りも決めたそうなのですが「ワカッタ」と言われたものの病院には現れなかったみたいですね。それで、これでは自宅療養は不可能だからと療養型の病院や施設を勧めたんですが、こっちは奥さんに拒否されました」
「その状態で、よく退院が決まりましたね」
「退院については、奧さんが即、了解したそうです。これからのスケジュールは、月のうち二週間はショートステイを利用し、奧さんは都内で暮らすそうです」
私は驚いた。妻に問いただした。
「訪問看護が一日に3回も胃ろうのために来る事はできないですよ? 良吉さんには嚥下機能に障害があるので痰の吸引が必要です。自宅で療養するのでしたら、アナタに胃ろうと吸引機の扱覚えて貰わないと無理です」
そんな事を、できるだけかみ砕いた日本語で説明した。しかし妻の心には届かない。
「ダカラ…ソレハ私ノスル事ジャナイ」
妻は、どう説得しても胃ろうも吸引機も学ぼうとはしない。そこで改めて「なぜ、家で看たいのか?」と尋ねたが、ニヤニヤするだけで答えようとしなかった。なんだか馬鹿にされている気分だった。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/0d16430477fcc2fc0b57d279cad1f7f1871fa194