「年金は65歳→75歳まで受け取りを先送りすると受給額は月額36万8千円まで膨らみ、お得だ」
厚生労働省が公表した財政検証結果では、公的年金の財政状況がおおむね改善傾向にあることが示されたが、それでも安心して老後の生活を送れるのかという不安を持つ人は多い。
賢く老後に備えるための秘訣(ひけつ)を、年金・社会保障問題に詳しいファイナンシャルプランナーの井戸美枝さんに聞いた。
「年金はできるだけ多く受け取り、自分が働けなくなっても、お金が働いて生活できる仕組みを作ることが大切だ」。井戸さんはこう訴える。
年金は原則65歳から受け取れるが、健康で仕事を持ち、十分な収入があれば焦って受け取る必要はない。75歳まで受け取りを繰り下げることが可能だ。
1カ月繰り下げるごとに年金は0・7%ずつ上乗せされ、75歳の時点で増額率は84%に上る。
仮に65歳から月額20万円の年金をもらえる予定だった人が75歳まで受け取りを先送りすると受給額は月額36万8千円まで膨らみ、お得というわけだ。
井戸さんは「年金の受け取りを繰り下げている間に、老後に備えて自分に合った資産運用でお金を作れるようにすればいい」と語る。
https://www.sankei.com/article/20240703-TNELQKOW3RP55HL2XV3I4QKKLM/