イタリア、税金を納めていない国民が6割
コロナ後の一時的な経済回復を除けば、20年以上にわたって極めて低い成長率に甘んじているイタリア。
真面目に生きてきた人が、理不尽な思いをする。イタリアの社会には、そんな悲しい側面がある。
最も衝撃的な真実と根本的な問題は、人口の60%が実質的に税金を納めておらず、
24%がかろうじて自分が利用する基本的なサービスの対価を支払っているに過ぎない状況で、
イタリアが国家としてどれほど持続可能なのかということである。
「誠実に税金を納める人がバカを見る」そんな言葉が冗談では済まされない国、それが今のイタリアである。
統計によれば、国民の実に60%が実質的に納税していない現実があり、「逃げ得」がまかり通る構造は、
努力や誠実さという価値をむしろ滑稽なものにしてしまった。
税を負担しているのはごく一部の中産階級や企業であり、彼らが国家を支える支柱であるにもかかわらず、その負担感は重くなる一方である。
逆に、現金経済や不透明な収入構造の中で「うまくやる」者が生活の余裕を得ているのが実態だ。
希望はあるか? あえて言えば、それは「破綻」そのものだ。
制度が崩れ、立て直しが不可避となったとき、ようやく本当の意味での社会的リセットが起きうる。
だがその時には、誠実な納税者はすでにこの国を見限っているかもしれない。
国家運営に必要な税負担の全重量は、年収35,000ユーロ(約567万円)以上を申告する人口のわずか17%の肩にかかっている。
この構造的歪みは先進国の中でも極めて異例であると言える。
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