日本車、関税猶予も警戒 トランプ政権の米企業配慮で
関税が猶予されるのは、3カ国の貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」に準拠した製品。レビット大統領報道官は5日の記者会見で、米フォード・モーターなど「ビッグスリー」と政権が協議した上で対応が決まったと明らかにした。ビッグスリーの生産体制はカナダ、メキシコ両国に大きく依存している。
両国からの輸入に25%の関税がかかり、日本や欧州からが2.5%のままであれば、ビッグスリーに不都合だ。フォードのファーリー最高経営責任者(CEO)は2月、カナダとメキシコに対する関税は、トヨタ自動車など外国勢に「棚ぼたになる」と主張。関税政策は「業界全体を対象にするべきだ」と注文を付けた。
一方、ビッグスリーの従業員が加盟する全米自動車労組(UAW)は、関税発動を歓迎する声明を発表。民主党の伝統的支持基盤で、トランプ氏を強く批判してきたが、「自由貿易の惨事を終わらせる計画について政権と活発に交渉している」と、急速な接近ぶりをうかがわせた。
今回、政権が米企業への歩み寄りを示したことや、トランプ関税への労組の支持を踏まえると、いずれ外国勢に厳しい対応に転じるのではないかとの不安がくすぶる。
日本メーカー関係者は「米経済に長年貢献してきたと、日本政府からしっかり伝えてほしい」と訴えている。
時事通信 外経部2025年03月09日06時47分配信
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